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調律師の仕事

調律師の基本的な仕事は、以下の3つになります。

調 律

「調律」とは、音程を整える作業です。現在ではA=:442Hzというピッチが標準です。

弦の張りの強さを1本1本締めたり緩めたりすることで音程を調整し、締めると高く、緩めると低くなります。 今日のほとんどのピアノが平均律で調律されることや、弦の総数が200を超えること、他の弦楽器に比べて張力が大きいことなどから、演奏者が自分で行うことはまれで、「調律師」と呼ばれる専門の技術者が行います。
まずは音叉を鳴らして基本となる音を合わせます。そして中音域の1オクターブ間を、1オクターブの鍵盤の数12で均等に割ります。これを最も基本的な「割り振り」といい、あとはこれをもとにして、低音域、高音域の音程を作っていきます。 一つ一つ単音の音高を聞き分けるのではなく、同時に二つの音(2本の弦)を鳴らしてそのうなりの数を数えるという工程で進めていきます。 ピアノの弦には常に20トン近くの張力がかかっていますので、たとえ毎日弾いていなく ても刻々と調律は狂っていきます。 大幅にピッチが狂ってしまうと、一回の作業では落ち着かなくなってしまうので、年に1~2回、定期的に調律をすることが必要になります。

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調 整

「調整」とは、鍵盤の沈む深さや重さ、反応などを調整し、タッチ(弾き心地)を整える作業です。

88鍵からなるピアノでは、均質性が大変重要となります。「ある鍵盤だけが重い」「ある音だけが飛び出して鳴ってしまう」というのでは、演奏に支障をきたします。 アクション部分は非常に多くの部品からなり、複雑な連鎖反応で音を発生させているのでどこか1箇所だけ手直しをしても、相関関係により、全体的にバランス良く整えなくてはなりません。また環境や使用頻度によっても内部機構に乱れが生じますので、調律ほど頻繁ではありませんが、定期的に調整する必要があります。

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整 音

「整音」とは、音色を作る作業です。

弦を打つハンマーは、圧縮された非常に固いフェルトからできていますが、長期間金属の弦を打弦していると、弦の跡がついて溝が掘れたようになってしまい、音色にムラが出たり、全体的にやせた固い音になってきます。
また年月の経過によりフェルトの質が硬化し、音色に変化が表れる場合もあります。このような場合には、ハンマーヘッドをヤスリなどで削り、一皮むくようにして新しいフェルト面を出し、ハンマーの形を整形することによって、音色を整えることができます。 また、さらに高度な作業として、コンサートで使用するピアノなどでは、ハンマーヘッドに針を刺して柔らかくしたり、硬化剤で固めたりして、音色の味わいを整えることもありますが、これは非常に高度なセンスと技術力を必要とします。

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